2014年10月9日木曜日

オモイデおしえて 008 銀河宙太さん

60歳の銀河宙太さんから、心にしみる思い出をいただきました。


福岡県文化会館(現福岡県立美術館)が天神の地に立って、もう50年になるんですね。

光陰矢の如し、といいますが、まさにその通りで、いろんな思い出が浮かんできます。

文化会館時代は、美術館と図書館を併設していました。その美術館の思い出として「ルノワール展」鑑賞があります。親友の成清君とワクワクして鑑賞した覚えがあります。

高校時代のことだから、1971年の思い出でしょうか。西鉄柳川駅から電車に乗り、一時間ほどして福岡駅に着き、そこからテクテクと徒歩で天神のビルの谷間を抜けて須崎公園を目指しました。田舎に住んでいるので、その場所が中々分からず、何度も尋ね聞きしながら行ったものです。当時、斬新な建物が目に入るまでは、そんなに時間はかかりませんでした。
 
美術館の入口には、入館待ちの人々で溢れていました。しばらくして美術館内に入り、所狭しの状態で、ゆっくり鑑賞しようにもそれは出来ず、鑑賞する人々の波にまかせて館内を進みました。数年前、ゴッホ展を九博で鑑賞したときもそんな状態でした。人気の展覧会は、どんなに時代が変わっても多くの鑑賞者で賑わうようです。きっと印象派の画家たちは、日本人好みでしょう。彼らの絵画は、明るくて、柔らかくて、穏やかで、そして心をしっかり和ませます。絵画鑑賞は、世知辛い人生を豊かにします。
 
当時、この展覧会の、ルノワールのどの絵に感動したか、今になっては忘却の彼方で、すっかり記憶にありません。しかし、どの絵も二人とも興奮の中で鑑賞したに違いありません。この青春真っ只中の「ルノワール展」鑑賞は、永遠に、在りし日の福岡県文化会館の姿とともに貴重な心の財産になっています。

イスラエル、イラク、シリア、ウクライナ等、世界のどこかで戦争が行なわれています。その国の人々は絵画鑑賞どころではありません。平和あってこその絵画鑑賞です。最近、絵画鑑賞をしながら、平和そのものの尊さを感じざるを得ません。


最後の一文、本当にその通りだと思います。だからこそ美術館は安心できる場所でもあります。

ところで10月4日にオープンしたばかりの展覧会場には、銀河宙太さん思い出の「ルノワール展」のポスターがこっそりまぎれこんでいます。


見に来てもらえればうれしく思います。



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