2014年10月9日木曜日

【展覧会レポ 10/5】日比野克彦さん公開設置


あれ、展覧会始まってましたね。すっかり放置気味でした。ごめんなさい。

展覧会が無事始まった10月4日にはオープニングトークと称し、今回出品してくれた6人の地元作家(泉山くん、今岡さん、酒井さん、寺江くん、菱川くん、森田さん)が集まってそれぞれの作品や制作について語ってくれました。頷ける話や意外な話など、あっという間の1時間半でした。

10月5日には作品を特別出品くださった日比野克彦さんが来館、公開設置となりました。会場にて設置されるのは日比野さんが1984年の芸大大学院終了制作として制作した《ONE NIGHT A DAY》。じつはその一部のパーツを組み合わせて10年後の1994年に再構成されたのが当館が収蔵している作品となります。そんなことがご縁となっての今回のイベント。

定刻の17時20分に始まった公開設置は、当初「18時過ぎには終わろうかな」という日比野さんの言葉をうれしく裏切り、ほとんど本気の公開制作の様相となり終了したのはなんと20時。当初参加くださった80名の方も、約半数の方が最後まで見届けてくださいました。

緊張感もリラックスもあり、ワクワクもドキドキもした、ふしぎな2時間でした。



設置(制作)された作品は会期終わるで会場にありますから、みなさんどうぞ見に来てくださいね。






2014年9月18日木曜日

オモイデおしえて 007 市川直代さん

朝日新聞(昭和40年12月3日)より

今回思い出を教えてくださった市川直代さんは63歳の女性。美術館デビューはもちろん文化会館のツタンカーメン展。

小倉で生まれ、小倉で育ちました。中学3年(昭和40~41年)の冬、高校受験の合格祈願に学校から3年生全員(約630人)で太宰府天満宮に参拝、その後県文化会館で開催中の「ツタンカーメン展」を見に行きました。黄金のマスク、数々の宝飾品、そして美術館という空間に驚きました。「ツタンカーメン展」はわたしの美術館デビューでした。

高校生になると友人とユトリロ、モディリアーニ、ロートレック、ルノワールと展覧会があるたびに見に行きました。

見終わると天神へ。福ビルの「ニック」に行き、いつかはこんな生活をと思い、1階の「とうじ」で手の届く絵葉書を買い、地階の「ロイヤル」でカレーライスを食べ、大満足で小倉に帰りました。青春の入口の良き時代の思い出です。


淡々と語ってくださった思い出が、それだけにしみじみ染みてきます。「ニック」や「ロイヤル」の名前も出てきて、古き良き天神を謳歌された世代ですね。

私が福岡に暮らすようになったのが2000年、来た時にちょうど「ニック」は無くなっていて、後でその名前を知りました。ニックの思い出を語る人に会うと、うらやましいなあという思いと、くやしいなあという思いとが交錯します(笑)

思い出が私自身のなかにないからこそ、そこはいつまでも憧れの場所として心のなかに在りつづけるのでしょう。

2014年9月14日日曜日

「とっとっと?」展しおりチラシもとっとっと?

チラシがブックカバーになっちゃうならば、やっぱりこれも必要でしょう。


てことで、「とっとっと?」しおり。

大小2種、各4色、計8ヴァージョンつくりました。裏面はミニミニチラシになってます。

「A4チラシは大きいからレジの横には置けんとよ...。」と残念に思ってくださっているショップスタッフの方! どうですか?

ご興味お持ちでしたら担当のぶらぞう(竹口) kjtkgch(*)gmail.com [(*)を@に]までご連絡ください。お送りするかお持ちするかします。

 

2014年9月10日水曜日

「とっとっと?」展チラシをとっとっと?

ひょっとしてすでに目にした方、いらっしゃいますか? フラッシーな黄色の、雲のような水玉のようなふしぎな模様が一面に浮かぶこのチラシ。



はい、これが「とっとっと? きおく×キロク=」のチラシです。デザインしてくれたのは矢野貴昭さん(vielen dank !)。

どんなチラシにしようかと話し合っている時、ぼくら二人の間に浮かんできたキーワードは「モヤモヤ」でした。頭の中の記憶というのは整理されずに絡み合い、モヤモヤしていながらも時にはとても鮮烈によみがえってきたり生々しくあったり。そんな記憶のありようをヴィジュアル化できないかと試行錯誤の末に生まれたのです。

しかもこのチラシ、ちょっとした仕掛けがあります。画像ではA4の一枚ものに見えるかもしれませんが、実物はチラシの上と下とがガバッと開く仕様。展覧会情報はその中面にびっしりとレイアウトされているのですが、このまま二つ折りにすればなんとブックカバーになるのです! 

本という記録媒体を包み込み、とっておきの思い出にもしてくれるブックカバー。ただの展覧会チラシがそんなささやかな贈り物になれば素敵だなと、矢野さんがデザインしてくれました。

ぜひ手に取ってみてほしい。

いえ、ぜひ「とっとって」ください!




2014年9月9日火曜日

6人の作家紹介

今回「とっとっと?」展では、ケンビの収蔵作品/作家のほかに福岡を拠点に活躍中の作家6人の作品も展示します。その6人のプロフィールを以下にご紹介:



泉山朗土 
IZUMIYAMA Road

1974 東京生まれ。武蔵野美術大学卒業後、現代美術作家 柳幸典に師事。 2004recomemo workshop & studio設立。これまで日比野克彦、藤浩志、中ハシ克シゲ、小沢剛などの制作ドキュメントのほか環境設計プロジェクトの記録や企業・建築のプロモーション制作などを行っている。 Susan Norrieの全撮影を手掛けた"SHOT" Edinburgh International Festival 2009/ "TRANSIT 2011" YOKOHAMA TRIENNALE 2011に出展。2014 福岡市赤煉瓦文化館にて「偶景 incidents-」をPlan Co Zero「カラスとカササギ」のための習作として発表。


泉山朗土(タイトル未定)2014年 [映像]


今岡昌子
IMAOKA Masako

神奈川県横浜市生まれ。2001年 コニカプラザ(東京)他にて写真展「ReBirth~ガレキの隣のオンナたち」開催。同年 東京都写真美術館にて「明日のために-日本のドキュメンタリー写真家」参加。2002年 第2回さがみはら写真新人奨励賞、2007年 第23回東川賞新人賞受賞。2008年 九州へ移住。2011年 つなぎ美術館(熊本)、2012年 銀座ニコンサロン、2013年 ギャラリーおいし(福岡)にて個展「トポフィリア-九州力の原像へ」開催。


今岡昌子「シグナルトランスダクション(変容へ)」2014年 [写真]


酒井咲帆
SAKAI Sakiho

1981年 兵庫県生まれ。2006-09年 九州大学USI子どもプロジェクトに所属し、子どもの居場所づくりの研究に携わる。2009年 写真屋「ALBUS」を福岡市に立ち上げ、写真現像や家族撮影などを営みながらまちづくりに関わっている。2011年 水戸芸術館にて「クリテリオム81 酒井咲帆写真展 いつかいた場所」、2014年 太宰府天満宮宝物殿(福岡)にて「神さまはどこ? 酒井咲帆・前田景 写真展」開催。


酒井咲帆「いつかいた場所」 [写真]


寺江圭一朗
TERAE Keiichiro

1981年 広島生まれ。大分大学大学院修了後、2005-08年 共同アトリエ3号倉庫(福岡)のメンバーになる。2008-10年 旧大賀APスタジオ(福岡市)を共同設立。2013+100P arts & studio(福岡市)を立ち上げる。20063号倉庫にて個展「カミサマ教」、2013ARCADE(沖縄)にて個展「空っぽの音 満ちた声 それから その真ん中」など開催。グループ展にも2012 年 カフェビョルナダ/釜山湾沿岸旅客ターミナルにて「2012 WATAGATA ARTS FESTIVAL NET-CO〟」、2014konya-gallery(福岡)にて「konya2023 New Yearʼs art mart - Treasure Ship」をはじめ多数参加。


寺江圭一朗「another way -石職人-」2014年 [映像]


菱川辰也
HISHIKAWA Tatsuya

1976年 大分県日田市生まれ。2007年 ギャラリーおいし(福岡)、2009art space tetra(福岡)にて個展開催。2013art space tetraにてグループ展「部屋を飾る/絵画・写真」に参加。

菱川辰也「市内風景」2013年 [絵画]


森田加奈子
MORITA Kanako

1979年 香川県生まれ。九州造形短期大学卒業後、2003-05年 共同アトリエ3号倉庫(福岡)のメンバーになる。20043号倉庫にて「消えない風景」、2013年 ギャラリー58(東京)にて「遠くて近い」など個展多数。グループ展も2012 年 カフェビョルナダ/釜山湾沿岸旅客ターミナルにて「2012 WATAGATA ARTS FESTIVAL NET-CO〟」、2014konya-gallery(福岡)にて「konya2023 New Yearʼs art mart - Treasure Ship」など多数参加。

森田加奈子(左)「アンティエ」2011年/(右)「コイル」2011年 [絵画]


2014年8月29日金曜日

オモイデおしえて 006 のっぃさん

本日金曜日。来週の火曜日には長かった半年間の休館も明け、耐震補強工事を施されたケンビが再始動。つまり第70回県展がオープンします。

そして明日は、その県展の入選発表日。きっとドキドキしながら結果を待たれている方も多いことでしょう。

今回思い出を教えてくださった「のっぃ」さんもきっとそのお一人。10年以上県展に出品しつづけてくださっているとか。赤裸々な思い出を語ってくださいました。


 ケンビと出会ったのは平成14年の夏だった。
 その2年くらい前から、先輩に誘われて写真を始めたボクは、この年の県展に初出品して初入選。多くの作品にまざって展示された自分の作品を見に行ったのがケンビデビュー。当時は、ケンビなんて略称はもとより県立美術館であることもよく理解していなかった。須崎公園の奥にある建物。それだけが第一印象。
 それから12年。十二支は一回りしたわけだけどその後、県展には縁がない。どんな自信作を搬入しても、出品されないことを淡々と告げるハガキしか届かない。
 ケンビは敵だ・・・そう思い始めた頃、去年の秋、一枚のチケットをもらった。江上茂雄展。初めて行った県展以外のケンビの企画展。ボクのよく知っている大牟田や有明海の風景が力強く描かれていた。絵画のもつパワーに圧倒された。江上さんの生きざまにも圧倒された。ケンビは素敵だ・・・そう思った。
 その江上茂雄展もひとつのきっかけとなって少しずつ点と点が線になって、いろんなつながりがあって、つい先日ケンビの中の方と飲む機会があった。
 僕はいささか飲み過ぎたようで、何しろ記憶を失うほど酩酊してしまったのだが、聞き及ぶところによると初対面の方々に相当に失礼な振る舞いをしていたらしい。
 自分の点と点が線になってきたことにうかれすぎて、周りの方々が大事にしてきた線を台無しにしてしまったかもしれないとおもうと、今はただ反省するばかり。

 また一回り時が流れるころ、笑って話せる思い出としてキオクされていることを願わずにはいられない。


敵よりも味方がいいですし、無粋よりも素敵がいいです。けれど、無関係、無関心ではなくずっとケンビに関わってくださるのっぃさんは、ありがたい存在です。長くこれからもよろしくお願いしますね。


福岡県文化会館/福岡県立美術館にまつわる思い出や記念写真を募集しています!

2014年8月26日火曜日

「とっとっと? きおく×キロク=」ってどんな展覧会?

昭和39年、開館当初の福岡県文化会館。向かいは前年に開館した福岡市民会館。
現在の須崎公園にはまだ引揚者のための簡易住宅が立ち並んでいる。

福岡県立美術館の前身にあたる福岡県文化会館は昭和39年(1964)に建ちました。ですから今年で50歳。建物は先頃までの半年間におよぶ耐震補強工事を経て、いまも現役です。
この展覧会では、文化会館/県立美術館の50年の歴史を紹介しつつ、「記憶」と「記録」をキーワードにして当館収蔵品と6人の地元作家とがコラボレート。トークがあったり映画上映会があったりと、みんなが楽しめるふところの深い場所をつくっていきたいと思います。


福岡県文化会館建設50年記念 とっとっと? きおく×キロク=
2014104日(土)~1124日(月・休)

休館日:月曜日(ただし10/13, 11/3, 11/24は祝休日のため開館、10/14, 11/4が休館)
観覧時間:午前10時〜午後6時(入場は午後530分まで)
観覧料:一般300円(200円) 高大生140円(100円) 小中生60円(50円)  
*( )内は20名以上の団体料金
65歳以上の方は特別割引料金(200円)
*次の方々は無料=身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている方およびその介助者/教員引率による児童・生徒およびその教員/土曜日の高校生以下の方/家族の日(1116日)に来場される方全員



【展覧会内容】

あなたが大切にとっている思い出はどんな思い出ですか?

それは写真や映像にうつっていますか?
あるいは心のなかに残っていますか?
いまは思い出さなくても、いつかふっと再生されるものもあるかもしれません。
なかには思い出したくないものもあるでしょう。

思い出は過去のものですが、わたしたちはいつも思い出とともに歩いています。
急がず、ゆっくりと、どこまでも歩いていけることを願って、この展覧会をひらきます――

とっとっと? きおく×キロク=


◆第1部 思い出の文化会館

福岡県立美術館の前身にあたる福岡県文化会館は、いまから50年前の昭和39年(1964)に建ちました。図書館と美術ギャラリーの併設施設として当時西日本最大の規模を誇り、たくさんの人を迎えてきました。とくに開館後まもなくに開催されたツタンカーメン展は58万人もの来場者を数え、いまも語り草となっています。その21年後の昭和60年(1985)、県文化会館は改築を経て、福岡県立美術館としてリニューアルオープンしました。
1部では福岡県文化会館建設50年を記念して、まつわる記憶や記録を展示し、「きおく」と「キロク」をいまにつむいでいきます。

*福岡県文化会館/福岡県立美術館にまつわるみなさんの思い出を募集しています。詳しくは当館ホームページのココをご覧ください。

文化会館はこちらが正面。設計は佐藤武夫。
建築家自身がデザインした照明の後ろには
洋画家伊藤研之がデザインした石壁レリーフ


◆第2部 まざりあう「わたし」


写真家が目の前の光景をカメラにおさめるとき、それは現実の記録でありながら、写真家の記憶が入りこみます。画家が心の中を描くとき、それは画家の記憶でありながら、画家が生きる日々や時代の記録にもなります。私たちが美術作品を目にするとき、それは同時にわたしたちの記憶を再生し、思い出をつくることがあります。
第2部では、福岡県立美術館の所蔵品と福岡を拠点に活躍中の作家6人(泉山朗土、今岡昌子、酒井咲帆、寺江圭一朗、菱川辰也、森田加奈子)とのコラボレーションにより、「きおく」と「キロク」がまざりあった楽しくふところ深い場所をつくっていきます。 


山本作兵衛「木枯らし」1964-66年、当館蔵 
 (c) Yamamoto Family
髙島野十郎「蝋燭」1912-25年、当館蔵
阿部金剛「Rien No.1」1929年、当館蔵
泉山朗土(タイトル未定)2014年(映像)
今岡昌子「シグナルトランスダクション(変容へ)」2014年(写真)
酒井咲帆「いつかいた場所」(写真)
寺江圭一朗「石職人」2014年(映像)
菱川辰也「市内風景」2013年(絵画)
森田加奈子(左)「アンティエ」2011年/(右)「コイル」2011年(絵画)

*出品作は変更されることもあります



◆第3部 ともに歩いていくために

思い出を杖に歩いていく。そのためにわたしたちはどのように記録と記憶を伝えていくことができるのでしょうか。第3部として出品作家たちによるトークショウや酒井耕・濱口竜介監督『東北記録映画三部作』の上映会などを開催します。

104日(土) 14:00~ オープニング・トーク

出品作家たちが作品や活動について、担当学芸員が展覧会について語ります。

場所:4階展覧会場にて
参加無料(展覧会チケットが必要です)


105日(日) 17:20~ 日比野克彦《 ONE NIGHT A DAY 》公開設置

日比野さんが今から20年前に東京藝術大学大学院の終了制作としてつくった作品を、作家自ら展覧会場で組み上げていきます。
日比野克彦「ONE NIGHT A DAY」1984年、作家蔵
場所:4階展覧会場にて
参加無料(展覧会チケットが必要です)


『東北記録映画三部作』上映会

1)1025日(土)13:00~17:30 
第一部「なみのおと」(142分)、第二部「なみのこえ/気仙沼編」(109分)

2)1026日(日)13:00~17:00 
第二部「なみのこえ/新地町編」(103分)、第三部「うたうひと」(120分)

場所:4階視聴覚室にて(開場は12:30/先着80名程度) 
参加費:各日500円 
特別協力:silent voice http://silentvoice.jp/


113日(月・祝)14:00~ とっとっトーク

文化会館/県立美術館の開館記念日であるこの日に、田北雅裕さん(九州大学専任講師/http://trivia.gr.jp/ )や出品作家たちといっしょに「記憶」「記録」「思い出」「希望」「未来」などについて語り合いませんか?

場所:4階視聴覚室にて(開場は13:30/先着80名程度) 
参加無料