2014年10月21日火曜日

オモイデおしえて 009 きょうこさん

その昔、ケンビで「ダリって誰?」的なキャッチコピーで展覧会が開催されたと聞いたことがあります。

きょうこさんの思い出です。


今から20年ほど前ででしょうか。私がまだ大学生だった頃、福岡に住んでいました。ダリの作品が展示されていると聞いたのがきっかけで、初めて県美を訪れました。ダリの作品の数々に圧倒されて、とても感動しました。ダリの作品をあんなにたくさん見たのはあの時以来ありません。20年経っても記憶に深く残っているので、よほど感動したのだと思います。

有名な人だからと見に行ったのですが、作品の持つ意味を考えたり、絵画は奥深く、心を動かす力があるのだと初めて知った展覧会でした。私の人生にも深く影響を与えてくれた展覧会を企画していただいたことに感謝しています。

ちなみにその帰り、ダリのポスターを購入し、しばらくトイレに貼っていました。トイレは毎日入るので、おかげさまで毎日刺激を受けました。


どうでしょう? 20年前に見た展覧会をありありと覚えているなんて経験が果たして僕たちのなかにあるでしょうか? 今は何でも不自由なく、むしろ過剰なほどに享受することができますが、本当の豊かさって何だろう?と考えさせられました。

しかも、「ダリって誰?」に負けないほどに、トイレのオチが秀逸です(笑)



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2014年10月14日火曜日

出品リスト

展覧会に出品している作品リストをケンビHPにアップしています。リストにたどり着くまでちょっと面倒ですが、興味ある方は参考にしてください。

http://fukuoka-kenbi.jp/blog/20141014_kenbi3485.html

2014年10月9日木曜日

オモイデおしえて 008 銀河宙太さん

60歳の銀河宙太さんから、心にしみる思い出をいただきました。


福岡県文化会館(現福岡県立美術館)が天神の地に立って、もう50年になるんですね。

光陰矢の如し、といいますが、まさにその通りで、いろんな思い出が浮かんできます。

文化会館時代は、美術館と図書館を併設していました。その美術館の思い出として「ルノワール展」鑑賞があります。親友の成清君とワクワクして鑑賞した覚えがあります。

高校時代のことだから、1971年の思い出でしょうか。西鉄柳川駅から電車に乗り、一時間ほどして福岡駅に着き、そこからテクテクと徒歩で天神のビルの谷間を抜けて須崎公園を目指しました。田舎に住んでいるので、その場所が中々分からず、何度も尋ね聞きしながら行ったものです。当時、斬新な建物が目に入るまでは、そんなに時間はかかりませんでした。
 
美術館の入口には、入館待ちの人々で溢れていました。しばらくして美術館内に入り、所狭しの状態で、ゆっくり鑑賞しようにもそれは出来ず、鑑賞する人々の波にまかせて館内を進みました。数年前、ゴッホ展を九博で鑑賞したときもそんな状態でした。人気の展覧会は、どんなに時代が変わっても多くの鑑賞者で賑わうようです。きっと印象派の画家たちは、日本人好みでしょう。彼らの絵画は、明るくて、柔らかくて、穏やかで、そして心をしっかり和ませます。絵画鑑賞は、世知辛い人生を豊かにします。
 
当時、この展覧会の、ルノワールのどの絵に感動したか、今になっては忘却の彼方で、すっかり記憶にありません。しかし、どの絵も二人とも興奮の中で鑑賞したに違いありません。この青春真っ只中の「ルノワール展」鑑賞は、永遠に、在りし日の福岡県文化会館の姿とともに貴重な心の財産になっています。

イスラエル、イラク、シリア、ウクライナ等、世界のどこかで戦争が行なわれています。その国の人々は絵画鑑賞どころではありません。平和あってこその絵画鑑賞です。最近、絵画鑑賞をしながら、平和そのものの尊さを感じざるを得ません。


最後の一文、本当にその通りだと思います。だからこそ美術館は安心できる場所でもあります。

ところで10月4日にオープンしたばかりの展覧会場には、銀河宙太さん思い出の「ルノワール展」のポスターがこっそりまぎれこんでいます。


見に来てもらえればうれしく思います。



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【展覧会レポ 10/5】日比野克彦さん公開設置


あれ、展覧会始まってましたね。すっかり放置気味でした。ごめんなさい。

展覧会が無事始まった10月4日にはオープニングトークと称し、今回出品してくれた6人の地元作家(泉山くん、今岡さん、酒井さん、寺江くん、菱川くん、森田さん)が集まってそれぞれの作品や制作について語ってくれました。頷ける話や意外な話など、あっという間の1時間半でした。

10月5日には作品を特別出品くださった日比野克彦さんが来館、公開設置となりました。会場にて設置されるのは日比野さんが1984年の芸大大学院終了制作として制作した《ONE NIGHT A DAY》。じつはその一部のパーツを組み合わせて10年後の1994年に再構成されたのが当館が収蔵している作品となります。そんなことがご縁となっての今回のイベント。

定刻の17時20分に始まった公開設置は、当初「18時過ぎには終わろうかな」という日比野さんの言葉をうれしく裏切り、ほとんど本気の公開制作の様相となり終了したのはなんと20時。当初参加くださった80名の方も、約半数の方が最後まで見届けてくださいました。

緊張感もリラックスもあり、ワクワクもドキドキもした、ふしぎな2時間でした。



設置(制作)された作品は会期終わるで会場にありますから、みなさんどうぞ見に来てくださいね。